えんじょるの

現役ケアマネジャーが現場目線で考えた、買い物弱者問題を解決するITシステム「えんじょるの」と高齢化社会の話をします!あと時々脱線ネタも(^-^)

地域ケア会議で交通弱者問題について専門家に質問したところ、その答えが的確すぎて感動しました!

皆さん、「地域ケア会議」って知ってます?

これは介護保険法上で位置付けられた会議で、行政、医療機関、介護施設、民間企業など、地域の様々な立場の人達が集まって、地域課題について話し合い、そして解決策を探る為の会議なのです。要は、その地域の課題を、そこに住む地域住民が、その地域にある社会資源を使い、地域独自の方法で解決しよう!という目的の会議なのです。

 

今回は私の地域では私がホストになって会議を行いました。テーマは「交通弱者問題の解決策」

参加者は行政の福祉課係長、包括支援センター主任ケアマネ、地域のケアマネ三名、送迎ボランティアさん、NPO法人全国移動ネット事務局長、そして私です。NPO法人全国移動ネット事務局長は神奈川県からzoomで参加。

そこで私は、私が以前ケアマネとして担当していたある高齢者の透析の送迎を、送迎ボランティアさんにお願いしてきた事例を使って、話し合いを進めました。

このテーマを選んだ目的は、この地域には安くて便利な移動手段が無く、高齢者は通院や買い物に困っている為、新たな施策が必要だという問題意識を共有する為です。

そして実は私にとってもう一つ大切な「裏目的」がありました。それは何かと言うと「お出かけ付き添いえんじょるの」が法律的、制度的、実務的に実現可能かどうかを専門家に確認する事。

 

そんな形で進んだ会議。参加者も交通弱者について問題意識も高まったところで、いよいよ私からの解決策提案バクダン投下〜!

 

「この問題を解決するには、地域住民がマイカーを使って送迎を手伝う有償ボランティアの仕組みを、地域住民主体で整備するのが良いと思います!もちろん行政にもバックアップしていただきながら。(更にお出かけ付き添いえんじょるのを使えばもっと良い仕組みになる事は間違いなし!)」カッコ内は言ってませんが(笑)

 

すると、さすが全国移動ネット事務局長!この提案に対する回答が的確すぎてチョー感激してしまいました!

そこで本日はそこで頂いた事務局長の意見を載せちゃいます!関心がある方は長いですがお読みください〜。

 

有償ボランティアに送迎を頼んだ時に、1番問題になるのはご想像の通り事故を起こした時です。多くのドライバーは「事故を起こしてもドライバーは責任はとれない」と言う誓約書を作って事前に同意を頂いていますが、そもそもそういう誓約書は法的な役割を果たすことはできません。しかしそれによって被害を受けた方が訴えを起こさない様にする心理的な抑制効果はあります。「あの時こういう説明を聞きボランティアだと分かって私たちもお願いしてますので、それに対して訴訟を起こしたりできないわ」というふうに思わせる様な抑制効果はありますけれども、やっぱり訴えたいとなった時に、「この紙があるからあなたがたが訴えるのはおかしいよ」という風には言えないということになります。これは個人ボランティアであっても組織が行なっても同じ事で、弁護士さんをたてることで示談がまとまりやすくなることはあったとしても、その紙を取っておけば訴訟を起こされないというようなものはないということです。

では多くの団体さんはどのように対応してるかと言うと、個人ボランティアなので責任を負う人がご本人様のみになってしまうっていうところを回避するために団体の登録ボランティアさんになっていただいて、そして団体として対応するようにしています。いわゆる使用者責任みたいなものですね。仮にこの法的な問題、例えば交通事故が起きてしまって道路交通法上の何か罰を受ける時は、どうしても運転していた人がその罰を、例えば免許の停止とか受けるわけですけれども、民事上訴えたいというような民事上の訴えに関してはこれは団体さんに所属するところがあれば所属する所とボランティアさんの両方に責任が行くことになるので、「ボランティア一人だけに全部の責任が行くことはないように団体で全て対応しましょう」って私たちの方ではご提案していますし実際そのような責任分担になります。実際多くの団体さんはボランティアさんを前に出すことなく団体の方で被害に遭われた利用者さんとのやり取りを最後までやるという風にしていますので、ボランティアさんが安心して活動できる方法は何かと言われたらやっぱり「組織化」かなと私達は考えます。ボランティアグループが法人であるかないかっていうことももちろんあって、法人でない場合には代表者の方に責任がすべて行くことになっちゃう可能性があるので、一番安心なのは法人に所属されることかなという風に言わざるを得ないです。その場合一つの方法としては社会福祉協議会の福祉有償運送を有償ボランティアさんも取り込む形で社協の中に入っていただくと、その人たちはマイカーボランティアとして自分の自家用車を使って依頼された時に送迎を引き受けますような形をとりますと安心して活動できるという意味ではベストかなという風に思います。

でもこれをやろうとした時に社会福祉協議会さんがマイカーボランティアはその目が行き届かないので不安だからやりたくないとか、あるいはマイカーボランティアに登録はしたんだけれども社協さんのルールは朝の8時から夕方の5時までっていうことがよくあって、「それを外れると運行管理事務局の人がいなくなってしまうのでサービス提供ができません」などという社協さんも全国的にはとても多いですね。そうなった時に透析の患者さんは「もう7時半には家を出なくちゃいけないんだ」とか「帰りが遅くなる」とか言った時に社会福祉協議会では「そういうサービスは一切引き受けないことに決まっております」とか「そうでないと事務局に誰もいないから無理なんです」とかということになると、ボランティアさんも本当はもっとやってあげたいのに残念だし利用する人も結局利用できなくて悲しいというようなことが起きてしまうんですね。なので一概に社協さんの中に組織化してグループとして活動されることをお勧めしますとは言い難いんですが、「まあそこは一緒につくっていきましょう、柔軟に行ってきましょう、仮にその事務局機能は持ち回りでボランティアさんが携帯電話を持ってやりますよー」などと言ってくれれば別に社協の職員さんが必ず張り付いてなきゃいけないっていうことはないので、そういった形で組織化していく方法は一つあると思います。

そしてもう一つは謝礼の問題です。これは少人数のうちは問題なくできていても、「もうちょっと色んな人に支援をしてあげたいな」と思った時に、「例えばボランティアAさんにはどうも1000円渡してるらしいよ」という話を聞いた他の人が「それだったら2000円の方がいいんじゃないか」と思って2千円渡すというようなことがどんどん行われていくと、仕組みがめちゃくちゃになってきてだんだん値上がりして行ってしまったりします。そしてその時初めて「これは任意の謝礼ていうのではなくて1回あたりいくらの方がいいんじゃないか」っていう話が皆さんの中で出てくると、「福祉有償運送、つまり社協さんのような取り組みにしようか」、「いやいやそれよりそういった道路運送法上の手続きは取らないタイプのものがないか」といったような仕組みづくりの相談に入っていくようになります。でも福祉有償運送だと障害者手帳を持ってる人と要介護者しか受け入れないっていう団体さんも結構あるので、そこがネックになるとすると福祉有償運送ではない有償ボランティアで道路運送法とは関係のないところでやっていくというような道を探るようになります。そういう取り組みも全国的には今広がりつつあります。それに加えて買い物に困ってる人がいるから代わりに買ってきて届けたと言ったような送迎だけじゃなくて「困ってることにいろいろ対応する生活支援のボランティアグループを作りましょう」そんなふうに話がなってきた場合には道路運送法の福祉有償運送とは別の生活支援のためのボランティアグループというものを立ち上げるようになります。どちらの方向に行くのかっていうのは今日多分始めての会合だと思いますので皆さんで個人ボランティアのままの方が気が楽でいいのか、いやいややっぱり責任の問題が発生すると心配なのでグループ化なのか、社会福祉協議会さんと話ができそうだから福祉有償運送にするのか、いやいや生活支援全般をやっていこうということなのか、その辺りはゆっくり話し合って行かれたらいいのかなという風に思いました。多分いろんな可能性が今はあると思うので皆さんの中でしっくりくるものをご検討頂きたいと思います。 


そして、もしボランティアによる送迎が軌道に乗ってきたとしても、今のところ道路運送法上の許可登録不要の活動っていうのはいろいろなところで指摘を受けやすいのが現実です。私たちも地域の皆さんを応援するためにあの手この手でご説明をするんですけれども、例えば運輸支局の方から指導があるとか新聞記事に載ったらタクシー事業者から白タクじゃないかと言われるとかですね、まあ色々と風当たりは強いんですね。見通しとしては、やはり市町村行政が関わっているというところが国土交通省も認める条件になりつつあるなという感じはしていまして、市町村の福祉部局が補助金を出しているような事例ですと、割と市町村の職員の方々は資料などを丁寧にまとめていらっしゃいるので話が通りやすいっていうのはあります。そうでない場合には小さなエリアでひっそりと活動しているのであればこれもまた誰も何も言わないということになりますが、市町村との関わりも無く規模がそこそこ大きくて目立つということになると現場はなかなか風当たりが強くて、まあ規制との戦いという感じになってしまいますね。

 

いかがですか?さすがですよね。まだまだ続きますが、今回はこの辺で…